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植物の背丈、自由自在に 岡大教授ら制御する物質合成
- 2016/02/17
- 朝日新聞
- 岡山県
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岡山大学の高橋卓教授らは、草花の木部を増やし木化を促進する物質「ザイレミン」の人工合成に成功した。木化が進むと草花の伸びが抑制される。研究チームは、背が低く作業がしやすい果樹や農作物の開発につながると期待している。16日付の英電子科学誌サイエンティフィックリポーツに掲載された。
草花の木部は、土から水とイオンを吸い上げる重要な働きをするが、必要以上に木部が増えると、背丈が伸びにくくなる。
高橋教授らはこれまでに、草花の過度な木化を抑える植物ホルモンを見いだしており、今回合成に成功したザイレミンは、このホルモンの働きを妨げることで、木化を促進する。
木化のブレーキ役の植物ホルモンと、アクセル役のザイレミンを組み合わせて使えば、植物の背丈を自在にコントロールできるようになるという。高橋教授は「木材由来の資源エネルギーである木質バイオマスの生産にも応用できる可能性がある」と話す。