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「里山開発」に懸念 オオタカ希少種解除検討で意見交換会

 猛禽類(もうきんるい)のオオタカについて、希少種の指定を外すことを検討している環境省が23日、仙台市で意見交換会を開いた。生物や自然環境に詳しい識者らは、生息地である里地や里山が開発される懸念を訴えた。
 省のレッドリストで「絶滅危惧2類」だったオオタカは、数が回復しているなどとして2006年に「準絶滅危惧」になった。これにともない、種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」の指定解除が検討されている。解除されると、捕獲などを許可する権限が国から都道府県に移るため、保護への取り組みに温度差が生まれる可能性もある。
 環境保全の象徴的な存在であるオオタカは、環境アセスメントの評価項目になるなどして、里山の開発に一定の歯止めをかけている。日本自然保護協会の辻村千尋さんは「里山が守られる仕組みがないままの解除は納得できない」と、里山の保全を努力義務で課す法律づくりを提案した。
 会場からは「県内の津波被災地に残った林に営巣地が見つかった。復興事業で今後どうなるのか、モニタリングをしてほしい」との意見が出た。仙台市の地下鉄東西線の建設ルートに近い青葉山で生息が確認され、工事現場から離れた場所に市が人工の巣をつくったこともある。

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