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「里山資本主義」、韓国でも注目 格差・高齢化課題 マネー資本主義の反省

 地域資源を生かした持続可能な経済を提案する新書「里山資本主義」(KADOKAWA)が、韓国でも翻訳され、注目を集めている。新聞やテレビなど50を超すメディアに紹介され、マネー資本主義の代案を探るきっかけとなっている。
 「里山資本主義」は日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんとNHK広島取材班の共著。バイオマス発電に取り組む岡山の製材工場などを例に挙げ、お金に依存しない別のシステムを提案した。2013年に発売され、約40万部のベストセラーとなった。
 韓国では昨年7月末に翻訳出版され、3刷約5千部が売れた。KADOKAWA海外出版営業課の河野美由紀課長は「韓国では日本の小説は人気だが、一般書で重版がかかることは珍しい」と話す。
 韓国語版を出した出版社「東アジア」の韓性峰(ハンソンボン)社長は「韓国は急激な経済成長で物質的には豊かになったが、精神的には疲弊している。マネー資本主義に対する反省が少しずつ始まっている」と話す。所得格差拡大や少子高齢化など日韓で抱える問題は共通している。
 

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