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岩手県内のクマ捕獲数、過去最多の591頭 人身被害も最多

 岩手県内で今年度捕獲されたツキノワグマが591頭に上り、過去最多を更新した。県は今年度の捕獲上限を686頭に設定しており、3年ぶりに上限に達する見通し。人身被害も過去最高を記録しており、県は上限に達しても年度内は捕獲を続ける考えだ。

 10月30日の県議会決算特別委員会で県が明らかにした。県内の捕獲数は記録が残っている約40年間で過去最多だった。昨年度は419頭(捕獲上限626頭)、一昨年度は461頭(同546頭)で、いずれも上限に届いていなかった。

 しかし、今年度はブナなどのドングリが大凶作のため、目撃や痕跡で確認されたクマの出没数が9月末時点で3368件と、前年同期の2049件に比べて急増。それに伴い、人身被害も10月30日時点で死亡2人を含む39件42人(前年同期21件22人)と、いずれも統計開始以降最多を記録している。

 クマの捕獲上限数は県の管理計画に基づいて管理検討協議会で決めている。計画では、県内のクマの推定個体は3700頭で2026年度末までに3400頭まで減らす目標を掲げる。来年度の捕獲上限は過去最多の796頭に決まっている。

 県自然保護課の担当者は「上限はあくまで目安で、人身被害の状況などを踏まえて、上限を超えても年度内は捕獲を続ける」と話している。

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