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「人新世」新たな地質年代に提案へ 人類痕跡残る1950年ごろから

 46億年の地球の歴史の上で、人類の痕跡が残る時代を区分する――。こんな提案を地質学の専門家たちが国際学会に提案することを決めた。12日発表した。人間の活動が地球を元に戻せないほど変えてしまったとして、新たな地質年代「人新世」(じんしんせい、または、ひとしんせい)を設け、その証拠となる地層がある「国際標準模式地」にカナダの湖を推薦することを決めた。
 地質年代とは、惑星としての地球の歴史を地層の特徴に応じて区分した呼び方のこと。化石や岩石から環境の変化を読み取って区分されている。現在は新生代第四紀の「完新世」と呼ばれる。氷河時代が終わり温暖になった時期で、1万1700年前から始まり今に続いているとされる。

 人新世は、現在の「完新世」に続く新しい地質年代の区分として2009年から検討されている。地質年代を決める国際地質科学連合(IUGS)の下部委員会に人新世作業部会が設けられた。昨年末の投票で、23人の委員のうち22人が「地質年代としてあるべきだ」として支持した。

 人新世の始まった時期は、1950年ごろを採用する。世界中の地層や氷床から50年代に急増した米ソの核実験によるプルトニウムが見つかるという。この時期、世界の人口や、プラスチックやコンクリートなどの人工物の生産量も爆発的に増えていることもある。

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