ニュースピックアップ
ニュースピックアップ

世界のSDGs達成度ランキング 日本は21位に後退

 日本のSDGs(持続可能な開発目標)の進み具合は、世界トップ20から脱落して21位に――。国連と連携する国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」は21日、国別のSDGs達成状況などをまとめた今年の報告書を発表した。

 報告書は「持続可能な開発リポート 2023」。データのある166カ国を比べた達成度ランキングでは、フィンランドが3年連続で1位だった。日本は17年に過去最高の11位だったが、以降は徐々にランクを落とし、昨年の19位からさらに後退した。日本より上のトップ20は全て、旧東欧の国を含む欧州勢だった。

 SDGsの17目標ごとの達成状況は4段階で評価され、日本は「ジェンダー平等」(目標5)▽「つくる責任、つかう責任」(目標12)▽「気候変動対策」(目標13)▽「海の環境保全」(目標14)▽「陸の環境保全」(目標15)の五つが、昨年に続いて最低評価だった。

 さらに「働きがいと経済成長」(目標8)が、強制労働と関係する輸入品が多いことなどが響き、下から2番目に評価が下がった。昨年までは最高評価の「達成ずみ」だった「平和と公正」(目標16)は、報道の自由に課題があるとして、ひとつ下の評価になった。一方で、「パートナーシップ推進」(目標17)は政府の途上国援助(ODA)の増額が効いて最低評価を脱した。ただ、脱税や資金洗浄<などを防ぐ金融の透明性の評価は低いままだ。

 SDGsは2030年までの達成目標だが、報告書は、今のペースのままでは全目標の2割も達成できないと指摘。なかでも途上国での対応が遅れており、15年に採択されたSDGsの折り返しに合わせて今年9月に国連で開かれる首脳サミットでは、取り組みを後押しする大きな資金の流れを作り出す必要があるとしている。

 74カ国の政府を対象に、政策や予算面での取り組みなどの「本気度」を比べた新しい調査では、スウェーデン、スイス、オランダがトップ3だった。フィンランドが4位、西アフリカのベナンが5位、日本は13位。最下位は、まだ一度も国連に取り組み状況を自主的に報告していない米国だった。

PAGE TOP