ニュースピックアップ
ニュースピックアップ

岩手県、全国初の「ブルー債券」発行へ 海洋資源の保護強化めざす

 岩手県は2日、環境分野への取り組みに限定した資金調達を目的とする環境債「グリーン・ブルーボンド」を7月に発行すると発表した。市町村や法人などの機関投資家向けで、発行額は50億円。県によると、海洋環境保護に関する「ブルー」を盛り込んだ債券の発行は、自治体として全国初となる見込みだという。

 全国の自治体のグリーンボンドの導入例によると、一般の地方債より低利で資金調達することが可能で、県は同様のメリットがあるとみている。利率などの条件決定は7月に予定している。

 県によると、調達した資金は、気候変動対策や海洋資源の保護に資する事業に使っていくという。

 地球温暖化などの環境問題に関連する「グリーン」では、河川改修や県有施設の省エネ化といった事業を想定している。

 海洋資源保護に関連する「ブルー」では、水産動植物の生息場となる藻場の整備や水産高校の実習船建造への活用などが考えられるという。

 発行は、1口1千万円で、5年満期の一括償還を予定している。年度内に調達した資金は年度内に使うのが原則で、50億円のうちブルー関連事業に10億~20億円を充てる見込み。

 2日の定例会見で達増拓也知事は「長い海岸線がある岩手では海洋資源の利活用が大きなテーマで、財源をしっかり確保したい」と説明。投資家側にとっては環境問題への取り組みを発信できるメリットがあり、達増知事は「岩手県の環境政策に協力して頂くことになり、社会貢献しながら経済活動を進めてもらえればと思います」と語った。(杉村和将)

PAGE TOP