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秋田・白神山地の新シンボルツリー ブナの大木2本を公開

 白神山地の秋田側の象徴だった巨木「400年ブナ」に代わる新しいシンボルツリー2本が選ばれ、一般への公開が始まった。世界遺産登録地域の周辺区域に広がるブナ主体の天然林、岳岱(だけだい)自然観察教育林(秋田県藤里町)にある「岳岱大ブナ」と「こまいぬシナノキ」で、遊歩道から観察できる。
樹齢400年以上とされる「400年ブナ」は教育林の中にあったが、昨年3月に根元から倒伏しているのが見つかった。一般的なブナの寿命は300年程度とされ、樹勢の衰えに加え、大雪などが要因とみられるという。

 巨木が倒れると森の中に日光が当たりやすくなり、新たな芽が成長を始める。森の生態系の循環を観察してもらうため、400年ブナは倒れたままの状態で現地保存されている。

 岳岱大ブナ(幹回り約4メートル、樹高約29メートル)と、こまいぬシナノキ(幹回り約5メートル、樹高約28メートル)は、ともに樹齢が推定300年程度とされる。東北森林管理局と同町が新たなシンボルツリーに選んだ。

 岳岱大ブナは、遊歩道周辺のブナの中では最大。こまいぬシナノキは地上から5メートルほどの高さにあるコブが、こま犬の顔に見えることから命名した。2本は互いに100メートルほど離れた場所に立っているが、遊歩道から間近に観察できるという。

 教育林へ向かう県道は例年、冬期間は雪に閉ざされて通行止めになる。今年は5月19日に通行止めが解除された。教育林を管理する同局藤里森林生態系保全センターの担当者は「周囲の木と幹回りの太さなどを比べ、森の成り立ちや歳月の長さを感じ取ってほしい」と話している。

https://www.asahi.com/articles/photo/AS20230602003649.html

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