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めざせ「山林王」、ゲームで林業学ぶ 高山の若手社員がCF募り制作

森を育てながら自然を学び、将来は林業で働く姿を思い描けるボードゲームが完成した。発案したのは岐阜県高山市にある会社「飛驒五木」の若手社員。プレーヤーは、自然災害や獣害など数々のリスクを乗り越え、林業の役割について理解を深めながら森の再生を図っていく。

ボードゲームは「FOREST BALANCE GAME―幻の山林王―」。飛驒五木のウェブメディア「響hibi―ki編集部」の田中菜月さん(32)、高岸昌平さん(25)が考案した。響は、木材を使った遊び場施設の企画・建築・運営を手がける。

田中さんは、全国の農山村や林業の現場などを取材して、森にまつわる情報を発信してきた。自身を振り返って、小中高校では林業について触れる機会が少なかったという。小学校の社会科では「森林伐採はよくない」と習った記憶しかなく、正しく理解されていないことに疑問を抱いていた。

昨年2月には県内にある林業について学ぶ五つの高校を訪れ、森林関連学科の先生や生徒から聞き取りをした。その結果、森林や林業のことを専門的に学ぶ時間が減り、さらにコロナ禍で林業現場の見学や、体験の機会が少なくなっていたという。

そこで2人は、子どもたちが林業に興味を持つきっかけとして、「何か面白そう」と感じてもらえるようなボードゲームの開発を思いついた。林業関係者や農林高校の先生の協力を得ながら、約4カ月かけて完成させた。

ゲームは1対1の対戦形式で、手持ちのコインを使って林業に必要なチェーンソーやショベルカーなどを購入し、その道具で育林をしながら森林を育てていく。森で働くための資格の習得や最新技術の導入など、森で働く具体的な姿が分かるようにした。

一方、獣害対策の必要性や自然災害の怖さといった、リスクを回避する方法も学べるようにした。高岸さんは「効率を求めて粗悪な作業道を造れば豪雨で崩れる。大きな林業機械を使うと道幅が広がって潜在的なリスクが高まる」といい、「環境と経済のバランスをとりながら、より持続可能な林業に近づいたプレーヤーが勝利し、『山林王』になれる」と解説する。

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