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秋田スギを伐採しても山積みになる丸太 ウッドショックの好況どこへ

 秋田県内で伐採されたものの受け入れ先がないスギの丸太が、各地で大量に保管されている。コロナ禍と米国の住宅需要増で「ウッドショック」と呼ばれる世界的な木材不足が起こり、一時好調だった国産木材の需要が、昨年後半に急減速。製材各社が生産量を落とし、丸太の出荷先が見つかりづらくなった。

 秋田市の運送会社マルトリの敷地には、丸太がうずたかく積まれている。多くは秋田製材協同組合(アスクウッド)から保管を頼まれたものだ。

 県内産のスギの丸太から住宅用の柱や板を生産する同組合によると、昨夏以降、建築需要が落ち込んで製材の生産量が減った。組合の敷地で保管する丸太が1年前の2倍の約2万立方メートルに達して満杯になり、昨秋以降、やむなくマルトリに保管を頼んだ。

 冬は伐採に適した時期で、本来なら伐採したい山林の所有者や伐採業者は多い。保管量がさらに増えることを見越し、マルトリは今年1月、自社の雑木林を切り開いて、保管場所を約1ヘクタールに広げた。

 国の統計によると、全国の月別新設住宅着工数は2021年度はすべて前年同月を上回ったが、22年度は12月までをみると多くの月で前年割れ。とくに持ち家は22年12月まで13カ月連続で前年同月を下回る。

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