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水源地の森整備で価値ある水を 檜原村・サントリー協定

 より豊かな水源地をつくろうと、東京都檜原村とサントリーホールディングスなどは6日、取り組みを進めていくための協定を結んだ。サントリーが資金を出して森を保全し、より価値の高い水づくりとともに、地域の活性化にもつなげたいという。

 協定を結んだのは両者と村木材産業協同組合の3者。村内の森林は、同社のビール工場(東京と府中市)や、清涼飲料水を生産する工場(東京都稲城市)の水源地にあたる。このうち4カ所計96ヘクタールについて、人工林の間伐や作業道・歩道の開設、広葉樹の植栽などを進める。作業は同組合加盟の業者が担う。サントリーグループ社員の森林体験研修や調査・学術研究の場としても活用するという。

 同社によると、森は人の手が入ることで生物多様性などが増し、水源地としての力が高まるという。6日の協定締結式で、同社の風間茂明・執行役員は「水の取り組みは、自然の恵みを製品としてお届けしているサントリーの最も重要な課題。研修などで村と接点を持つ関係人口の増加にも貢献できると考えている」。林業、製材業など計31社が加入する組合の青木亮輔・代表理事は「(同社と)村との架け橋となれるように尽力していきたい。プロジェクトが村の活性化につながり、より豊かな村になっていくことで、結果として村の自然が守られる。組合員各社と、様々な形での連携も期待したい」とそれぞれ語った。地権者の一人、田倉栄さん(81)は「林業では生活できずに若者の多くが村を出て行ってしまい、少ない高齢者だけで山林の手入れを続けるのは大変。企業がお金を使って整備などをしてくれるのはありがたい」と話した。

 プロジェクトは2003年に始まり、同社がこうした整備をするのは全国22カ所目。都内では他に、奥多摩町やあきる野市でも同様の取り組みが進んでいるという。

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