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獣害対策、「ジビエ」で 「捕獲だけでは被害減らない」 /京都府

 農作物を食い荒らす農家の「天敵」、シカ。害獣駆除などで捕獲される頭数は増えているが、食肉としての活用は進んでいない。国や府は「ジビエ」(狩猟で得た野生鳥獣の食肉)としての利用を促すが、衛生面での安全性の確保など課題も多い。
 府によると、2020年度に捕獲されたシカは2万5066頭で、統計のある1998年度以降で最多となった。農作物の被害額はピークだった2008年度に約1億9400万円に上ったが、捕獲に加えて、電気柵の設置などの対策が進み、20年度に約7300万円にまで減った。
 だが、被害額の減少効果は頭打ちだ。なぜか。京丹波町でシカやイノシシの捕獲から食肉加工までを手がける「アートキューブ」の垣内規誠(ただまさ)さん(61)は「農作物を荒らすシカは里の周辺に定着している。畑に下りて来ないシカを山奥でいくら捕まえても被害は減らない」と話す。

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