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多様な生物、はぐくむ農地とは 国が全国調査

 農林水産省が全国の農地の多様性の数値評価に取り組んでいる。二酸化炭素の排出量という指標がある気候変動対策に比べ、生物多様性は評価が難しいとされる。より客観的な評価を施策に生かす試みが始まっている。
 調査は、農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市、農研機構)の助言を元に、農水省が全国36道府県で実施した。化学肥料や農薬を従来型に比べて5割以上減らすことをベースに、さらに減らしてゼロにする「有機農業」や、水辺の生き物のために冬でも田に水を張ったままにする「冬期湛水(たんすい)管理」、天敵などを使って害虫や雑草に対応し、できるだけ化学農薬を減らす「総合的病害虫・雑草管理」(IPM)に取り組む農地が対象だ。従来型についても調査し、違いを比べた。
 取り組みをしている農地のスコアは、有機農業、冬期湛水管理、IPMのいずれの方法でも4前後になった。一方、従来型では3を下回った。
 総合評価が「生物多様性が非常に高い」(S)、「高い」(A)となった割合は、従来型の51%に対し、取り組みをしている農地は80%を超えた。

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