ヒグマに襲われ死亡　厚岸、山菜採りの男性　／北海道

　１０日午前１０時５５分ごろ、厚岸町の山林で、山菜採りをしていた女性から「夫がクマに襲われた」と１１０番通報があった。約２時間４０分後、頭から血を流して倒れている男性を厚岸署員らが見つけ、死亡が確認された。署はヒグマに襲われたとみている。ヒグマは見つかっていない。
　署と厚岸町によると、夫婦は午前１０時ごろから、道路脇に車をとめて約６００メートルほど北西の山林に入り、行者ニンニクなどの山菜を採っていた。女性がヒグマの影を見てその場を離れようとすると、夫の悲鳴が聞こえた。振り返ると夫がヒグマに襲われていたという。女性は車に戻って通報し、けがはなかった。
　地元のハンター、警察、消防、町職員が現場へ入ったがヒグマの姿はなかった。町は１１日から１週間ほど、ハンターとともに午前と午後に見回る。
　現場は厚岸湖の南側の太平洋に面した地区で、民家が点在する。この地区では毎年、ヒグマの目撃情報が寄せられているという。
　この時期は雪解けして、ヒグマが活動を始める。道自然環境課によると、道内では１９８９年度以降、ヒグマに人が襲われる事故が４３例発生し、１５人が死亡した。直近では２０１７年１０月に白糠町で、１人でキノコ採りに出かけた男性（当時７３）が襲われて死亡した。道は４月１日～５月３１日を「春のヒグマ注意特別期間」として警戒を呼びかけている。