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シカと列車、事故急増 「過疎化で生息域が拡大」

 動物との衝突などで、鉄道が大幅に遅れたり運休したりする例が近年になって急増している。中でも全国的に目立つのがシカとの衝突だ。
 国土交通省の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」によると、運休や30分以上の遅れが出た「輸送障害」は2019年度、前年度より48件少ない5665件だった。半面、動物が原因だったのは822件と118件増えた。年間4千~6千件の間で推移する輸送障害のうち、動物関連は全体の1割以上を占めている。
 公益財団法人鉄道総合技術研究所(東京)で生物工学を研究する志村稔さんは「多くのケースで原因となっているシカの個体数が増えた」と説明する。環境省の推計では、ニホンジカの頭数(北海道を除く)は1989年度の31万頭程度(中央値)から年々増え続け、2014年度には289万頭程度(同)にまでなった。
 同省によると、明治期に乱獲で激減したニホンジカは捕獲規制で、戦後しばらくして減少に歯止めがかかった。もともと繁殖力は高いが、中山間地の過疎化による耕作放棄地の拡大▽造林などで餌となる植物の増加▽狩猟者の減少――といった要因が重なり、増加に転じたと考えられている。国は駆除など対策を強化しており、ここ数年はやや減る傾向にあるとされる。
 志村さんは「農村部の過疎化で人と野生動物がすむ区域の境目があいまいになり、シカの生息域が拡大して里に近づいている。頭数が減っても事故はなかなか減らない」とも指摘する。

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