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モモ・ウメ枯らす、外来カミキリにご注意 対策呼びかけ /和歌山県

 モモ、ウメ、サクラなどの樹木に幼虫が入り込み木を食い荒らす特定外来生物、クビアカツヤカミキリの被害が県内でも拡大している。主要作物に深刻な被害をもたらしかねないとして、県は生産者らに向けて研修会を開き、早期発見と対策を呼びかけている。
 クビアカツヤカミキリは、体長が2・5~4センチで前胸が赤い。中国や朝鮮半島などに分布する。幼虫は2、3年木の中で過ごして木を食い荒らす。木は衰弱し、枯れてしまうこともある。幼虫が寄生した木には、木くずと幼虫のフンが混ざりミンチ状などになった「フラス」がたまる。
 貨物などの物資にまぎれて日本に侵入したとみられ、2012年に愛知で初めて見つかり、大阪、徳島、栃木などに被害が広がっている。特定外来生物に指定されており、飼育、他の場所への移動などが規制されている。6月から8月は、成虫が木から飛び出す時期とされる。
 県内では17年にかつらぎ町で成虫が捕獲され、19年11月に同町の桃園で初めて被害が見つかった。県によると、今年7月末現在、かつらぎ町を中心に、紀の川市、岩出市、橋本市のモモ、スモモ、ウメで被害が確認されている。
 8月27日、かつらぎ町で生産者らを対象にした研修会があった。県の担当者は、「被害が出ると拡散のペースが速い」「ほかのカミキリより圧倒的にフラスが多い」などと生態や被害状況を説明。早期発見の重要性を強調し、被害が見つかった場合の対策として、伐採や抜根▽被害樹をネットで覆って成虫が外へ出られないようにする▽成虫や幼虫の駆除などを挙げ、伐採などには県の補助があることを伝えた。ドライバーを使い、幼虫を掘り出して駆除する様子も動画で紹介した。

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