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ナラ枯れ深刻 被害急増、1万4000本 /青森県

 県内のナラ枯れ被害が深刻化している。県によると、最新の2019年シーズン(19年7月~20年6月)の被害木は前シーズンの6倍近い1万4千本を超え、過去最多となった。被害の拡大を防ごうと、新たな取り組みが始まっている。
 県林政課によると、県内でナラ枯れが初めて確認されたのは10年秋。深浦町の秋田県境に近い大間越地区で2本見つかった。ナラ枯れ被害の北限が秋田県から青森県に移った。11年からしばらくは見つからなかったが、再び同町内で確認されたのは16年シーズン(16年7月~17年6月)で85本。以降、17年シーズン(17年7月~18年6月)に2031本と急増、18年シーズン(18年7月~19年6月)もさらに増えて2409本だった。
 だが、最新の19年シーズン(19年7月~20年6月)は1万4179本と、桁違いに被害木が増えた。被害木は深浦町南部の海岸沿いの旧岩崎村地域が1万2151本と圧倒的で、全体の8割強を占める。ただ、被害は町南部だけで増大しているわけではなく、海岸線に沿ってじわじわと北上している。
 ナラ枯れは体長4、5ミリの昆虫「カシノナガキクイムシ」(カシナガ)が起こす伝染病。ミズナラ、コナラの落葉広葉樹の幹に入り込み、体についたカビの一種「ナラ菌」が幹の水の通りを悪くさせ、樹木が枯れてしまう。葉はしおれ、赤褐色に変色する。景観を損なうだけでなく、倒木により家屋や送電線、道路などへの二次被害を引き起こす危険性もある。

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