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間伐の竹循環、あまさず活用 土壌改良材などで処分ゼロに 八頭・船岡竹林公園/鳥取県

 キャンプや春のタケノコ掘りで親しまれている八頭町の船岡竹林公園が、竹林の手入れや間伐で切り出した竹を園で循環させる仕組みづくりに取り組んでいる。今年度は「産廃」として処分する竹がゼロになった。
 同園は1995年に旧船岡町が開園。青々とした竹林、サクラやアジサイ、スイレンに加え、カタクリ、チゴユリなど山野草の自然の植生が楽しめる。併設する町営の「やずミニSL博物館」の周回線路内など園内7カ所に、アサギマダラが訪れるナチュラルガーデンも整備。2015年度から、町から指定管理を受けた町内の会社「遠藤農園」が管理運営している。
 同園によると、竹林は3月、6月、10月ごろの年3回間伐し、雪で折れた竹も取り除く。切り出した竹の一部は、以前から住民らの手によって、竹酢液や竹炭、竹とんぼなどの竹細工品に加工されてきた。竹酢液は園内の樹木に散布して害虫予防に、竹炭はバーベキューの燃料や土壌改良に。園内で販売もしている。
 ただ、切り出した竹は加工では使いきれず、一度の間伐で4トントラック1~2台分を運び出し、産業廃棄物扱いで処分していたという。
 昨秋から、一部をチップに砕き、地表面を覆って水分の蒸発を防ぐなどするマルチング材や土壌改良材として活用。今春、鳥の巣のように竹を組んだ中で細かくした竹や葉を発酵させる「バイオネスト」を造った。現在、バイオネストは竹製が二つと、台風で折れた桐(きり)の木で造ったものが一つ。虫など生き物のすみかになるという。

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