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県内初の林業遺産に 木地師発祥の東近江・小椋谷 /滋賀県

 東近江市の奥永源寺地区で小椋谷(おぐらだに)と呼ばれる一帯が28日、東京であった一般社団法人日本森林学会(黒田慶子会長)の総会で、2018年度の林業遺産=キーワード=に認定された。県内からの認定は初めてという。
 小椋谷は全国に広がる木地師(きじし)発祥の地とされる。木地師は、ろくろを使ってお椀(わん)やお盆などの木工品を作る職人。谷には木地師の始祖といわれる惟喬(これたか)親王(844~97)が暮らし、高松御所と呼ばれた金龍寺(きんりゅうじ)や墓所、創建した筒井神社などが残る。
 木地師の免許状や各地の木地師への巡回記録などの資料も保存され、現在も技術や祭りなどの行事が地元に受け継がれている。こうした点が林業(木地師文化)発祥地として林業遺産にふさわしいとされた。
 認定を受けて、高松御所などが残る君ケ畑町在住で、木地師文化の継承活動をしている「木地師のふるさと高松会」の瀬戸洋海(ひろみ)事務局長(64)は「全国的な認知につながるのはうれしい。市の動きも注視しながら連携できることを考えたい」、小椋谷出身の小椋正清市長は「認定の生かし方を地元ともよく相談したい」と話した。
 認定証授与式は6月5日、市役所で開かれる。

 ◆キーワード
 <林業遺産> 日本森林学会が創立100周年を機に、日本各地の林業発展の歴史を将来にわたって記憶・記録していくための試みとして2013年度から始めた。年度ごとに林業発展の歴史を示す景観や施設、跡地など土地に結びついたものを中心に、体系的な技術や特徴的な道具類、古文書などの資料群を林業遺産として認定している。17年度までに全国31カ所が認定された。

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