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絶滅危機のアサザ守れ 住民ら外来種駆除 稲美・天満大池 /兵庫県

 稲美町の天満大池で26日、絶滅の恐れがある水生植物アサザを保護しようと、地元住民らが外来植物を駆除した。一般参加者や行政関係者もあわせた約40人が池南側の岸辺に生えた茎や根を取り除いた。
 アサザはミツガシワ科の多年生水草で、夏の日中、鮮やかな黄色の花を咲かせる。国内の群生地は限られ環境省が準絶滅危惧種に指定。675年築造とされる県内最古の同池では、いったん絶滅したとみられたが、二十数年前から再び見られるようになった。県レッドデータブックでも「県内で絶滅の危険が増大」のBランクに入っている。
 昨年11月、同池でアサザの生息を脅かす南米原産の特定外来生物ナガエツルノゲイトウの繁殖を環境団体が確認した。水面を覆い水の流れを妨げるほど繁殖力が強く、生態系や河川施設にも悪影響を及ぼす。確認されてからは定期的に駆除を続けている。この日も石と石の隙間や石下などに茎や根をわずかでも残さないように取り除くなどした。
 陸上でも根を張るため農業被害をもたらす可能性もある。天満大池土地改良区の西澤一弘理事長(71)は「田んぼに侵入するとコメが栄養をとられ品質が落ち、収穫も面倒になる。今の段階で止めたい」と話した。

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