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「甲武信」エコパークへ ユネスコ諮問委、承認勧告 県内では2カ所目 /山梨県

 山梨、埼玉、長野、東京の4都県に広がる奥秩父の山脈とその周辺地域の「甲武信(こぶし)」エリアが、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「エコパーク」(生物圏保存地域)に登録される見通しとなった。

 ユネスコの諮問委員会が登録を「承認する」との勧告を17日公表した。決定すれば国内10カ所目、県内では南アルプスに次いで2カ所目となる。
 エコパークは、生態系の保全と持続可能な活用の調和が目的。「甲武信」は山梨、埼玉、長野3県と10市町村でつくる協議会が登録をめざし、ユネスコ国内委員会が昨年申請していた。
 対象地域は19万ヘクタール。厳格に自然を守る「核心地域」(1万3千ヘクタール)、エコツーリズムなどに活用する「緩衝地域」(7万ヘクタール)、人と自然の調和した発展をめざす「移行地域」(10万6千ヘクタール)の三つに分かれる。山梨県内では甲府、山梨、大月、北杜、甲斐、甲州の6市と小菅、丹波山の2村にまたがる。
 核心地域は甲武信ケ岳や金峰山、雲取山などが連なる奥秩父の山脈地帯で、関東平野を流れる荒川や多摩川、日本海に注ぐ千曲川などの源流地域でもある。
 移行地域では農林業などが営まれている。諮問委員会は山梨県内の移行地域について、「主要な果樹生産地として認識されている」と評価した。
 県みどり自然課の関尚史課長は「自然を大切にしながら生活してきた地元の人々の営みが国際的に評価された。エコツーリズムの推進に弾みがつき、果樹生産など農林業の振興にもつながる」と話している。
 ユネスコでは来月、登録の可否を最終的に決定する会議をフランス・パリの本部で開く予定だという。

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