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サンショウウオ、新種だった! 来月6日まで萩博物館で展示 /山口県

 県内に新種のサンショウウオ2種が生息していることが、松井正文・京都大学名誉教授らの研究チームの調査で分かった。それぞれ「アブサンショウウオ」と「ヤマグチサンショウウオ」と名付けられた。2種ともに5月6日まで、萩市の萩博物館で展示されている。

 萩博物館などによると、アブサンショウウオは萩市や阿武町、島根県津和野町などの水田や池に生息する。体長は約10センチ、体色はオリーブ色で茶色や銀白色の斑紋がある。繁殖期は2~3月という。
 ヤマグチサンショウウオは県西部や大分県の一部の水田や池に生息する。体長は約10センチ、背面は暗い茶色で黒い斑点がある。繁殖期は1~4月。萩・阿武地域で両生類の新種が見つかるのは初めてという。
 ヤマグチサンショウウオに比べて、アブサンショウウオの方がやや体が大きく、尾も長い。卵のうも大きいという。ヤマグチサンショウウオの尾には黄色い線が入るが、アブサンショウウオではあまり見られないなどの違いもみられる。
 2種とも以前から生息は確認されていたが、これまでは西日本に分布するとされていたカスミサンショウウオと考えられていた。松井教授らの研究チームが遺伝子解析した結果、新種と判明した。両種を含めて西日本各地で計7種の新種のサンショウウオを突き止め、研究論文を国内の学術雑誌に掲載した。
 研究チームの西川完途・京都大学大学院准教授は「一般にサンショウウオの種の差は分かりにくい。遺伝子解析の結果が決め手になった」。松井教授は「2種とも山口固有と言ってもいいぐらい貴重な両生類。早急に(条例などで)保護するための対応をして欲しい」と話している。
 博物館では2種を展示中。開館時間は午前9時~午後5時。観覧料は大人510円、高・大学生310円。小・中学生100円。

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