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希少ハンミョウ、保護延長 鳥取砂丘、回復見られず /鳥取県

 鳥取砂丘(鳥取市)に生息する希少な昆虫「エリザハンミョウ」について、生息数の回復がみられないことから、保護期間が2022年9月末まで延長される。県や鳥取市、環境省などでつくる「鳥取砂丘未来会議」の総会が26日に市内であり、報告された。
 エリザハンミョウは体長1センチ程度の小さな甲虫。砂丘ではオアシス周辺の湿りを帯びた砂地に生息している。保護活動は昨年4月に開始。巣穴が確認されているオアシス南側の砂地約1600平方メートルを杭とロープで囲い、立ち入りの自粛を呼びかけてきた。
 だが、鳥取大農学部の鶴崎展巨教授の調査で、昨夏の推定個体数が前年の約4分の1になるなど減少に歯止めがかかっていないことが判明。今後1~2年で劇的な回復は見込めないことから、今年9月末までとしていた保護期間を3年間延長することとした。
 総会では、飲食店や土産物店などが集まる砂丘東側の防砂林整備についても協議。過去に植えていた樹木が枯れ、店舗側が飛砂対策を求めていたことから、約2ヘクタールに常緑高木のクロマツ約7千本と落葉低木のアキグミ約3千本を今後4年間で植栽する方針が示された。飛砂を防ぎ、樹木を保護する竹製の「堆砂垣(たいさがき)」(総延長約650メートル)なども整備する。出席者からは「景観を守るために植えた後の管理も大切だ」との意見が上がった。

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