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有花粉スギに無花粉遺伝子 県林業技術総合センター発見 /宮城県

 県林業技術総合センター(大衡村)は、県産品種の有花粉スギ「栗原4号」が、無花粉の遺伝子を持っていることがわかったと発表した。県センターは無花粉スギの開発につなげ、将来的に普及させたい考えだ。

 県センターは2011年度から花粉症対策として無花粉スギの研究を開始。県産品種と森林総合研究所林木育種センター(茨城県)が開発した無花粉品種「爽春(そうしゅん)」との交配を繰り返していたところ、栗原4号との個体が無花粉スギになっていることがわかった。
 有花粉のスギの場合、無花粉の遺伝子を持っていないと、交配させても有花粉スギになるという。このため、栗原4号が無花粉の遺伝子を持っていると判断した。無花粉スギは自然界で数千本に1本はあるとされており、自然のものを採取する方法もあるが、見つけるには労力がかかる。DNA鑑定も全ての品種をカバーしておらず、交配を繰り返すのが一般的だという。
 県センターは今後、挿し木をするなどして個体数を増やすとともに、病気への強さなども調べる。苗の供給は早くても4、5年後になるという。県センター環境資源部の今野幸則部長は「スギの新品種開発のためにこれまで地道に頑張ってきた。今後普及すれば、徐々に花粉が減っていく。花粉症の方はもう少しお待ちいただければ」と話した。
 森林総合研究所林木育種センターによると、無花粉スギは静岡県や富山県などで、少なくとも6品種が開発されている。

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