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カラス対策へ、行動追跡実験 タグやGPS発信機を装着 弘前市と弘前大 /青森県

 フン害などを起こしているカラスの対策に力を入れている弘前市で、弘前大学農学生命科学部の東信行教授がカラスの移動範囲や停留場所などを調べる実証実験を始めた。集めたデータを効率的なカラスの駆除や農作物被害の防止などに役立てるのが狙いだ。
 東教授らは18日、市が箱わなで捕獲したハシボソガラス4羽とハシブトガラス2羽にタグをつけて放鳥した。タグは縦7・5センチ、幅4・5センチでハシボソは緑色、ハシブトはピンク色。それぞれに「14」「15」などの数字を記しており、見つけた人からの連絡(市環境管理課へ。電話0172・36・0677)で移動地点を把握する。
 実験は2月からで、タグをつけて放したカラスは計19羽になった。別の2羽には自動的に位置がわかるよう全地球測位システム(GPS)の発信機を装着し、放鳥。精度を上げるため、今後もタグや発信機をつけたカラスを増やす計画だ。実験は2年間続ける。
 市環境管理課によると、市内のカラスは近年2500~5300羽程度で推移し、フン害や農作物被害などに悩まされている。猟銃や箱わなで毎年1千羽以上駆除しているが、抜本的な解決策にはなっていない。
 こうした現状を踏まえ、東教授は「カラスがどの時期にどこにいて、何をしているのか。その実態をまず把握することが重要。カラスは平川市や黒石市など弘前市外まで移動している。実験のデータが周辺市町村と連携した抜本的なカラス対策につながってほしい」と話している。

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