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イノシシの対策、雄勝地域で強化 県が協議会立ち上げへ /秋田県

 県内で急増するイノシシの目撃情報や農業被害を受け、県の対策会議が12日、湯沢市の県雄勝地域振興局で初めて開かれた。県は、宮城、山形両県に接する雄勝地域で住民や関係団体の協議会を立ち上げ、対策を強化するとしている。
 会議には、湯沢市や羽後町、東成瀬村などの行政、JA、猟友会の関係者ら約40人が出席した。県が現状を報告したのに続き、意見交換した。
 猟友会役員は「積雪の少ない沢や側溝などで越冬し、生息数も増えているようだ」と指摘。イノシシは動きが速く、猟をするにも猟友会員が危険にさらされる。一方で、この先の季節は山菜採りなどで山に入る人が増える。別の役員は「駆除には住民の理解が欠かせない。地域ぐるみで取り組むべきだ」と話した。
 県によると、イノシシは一度は県内で絶滅したとされていたが、2011年度に湯沢市で初めて生息が確認された。その後、目撃情報や捕獲件数が急増し、今年度は目撃数100件、捕獲数は28件に上る。
 農作物では17年度に大館、湯沢など5市で初めて計2万円余りの被害が出ると、今年度は8市町で計約220万円に増加。うち湯沢市が米などで約196万円を占めた。
 県自然保護課の高松武彦課長は「新潟、山形両県などでも被害確認から数年間で被害額が数千万円に急増した。雄勝地域の対策を急ぎ、被害拡大を抑えていきたい」と話した。

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