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入野松原の風景、ずっと 松食い虫から守ろう、生徒ら苗植樹 /高知県

 美しい松並木が続く国の名勝・入野松原(いりのまつばら)(黒潮町)を松食い虫の被害から守ろうと、地元の中学生や住民ら約40人が24日、マツの苗400本を植樹した。「町のシンボルである松原を未来につなげたい」との熱い思いが込められている。
 大方中学校の生徒22人と「入野松原保存会」のメンバーや町職員らがスコップを手に次々と穴を掘り、松食い虫に抵抗力があるというクロマツの苗を丁寧に植えた。中学2年の徳広愛実さん(14)と松本真弥さん(14)は「土を掘るのが大変だった。このきれいな松原を残したい」と目を輝かせた。
 町はクロマツの苗を今年度約800本、来年度は約500本植える予定だ。保存会の松並勝会長(71)は「子どもたちの若い力で苗を植えることができたのがうれしい。平成が終わり、まもなく訪れる新しい時代に松原の美しい風景を引き継ぎたい」と話す。
 入野松原は、延長約4キロの海岸に町有林や国有林、県有林も含め数万本の松が並ぶ。太平洋の白波が打ち寄せる砂浜はサーファーにも人気。しかし約14ヘクタールある町有林で松食い虫の被害が拡大し、今年度伐採される本数は過去最高の約2200本に達する見込みだ。国や県、町は初の「松食い虫被害対策現地検討会」を今月20日に開き、対策に乗り出している。

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