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害虫からアカマツ守れ、薬注入 日光国立公園、松枯れ防止対策 /栃木県

 那須町の日光国立公園内「那須街道赤松林」で、アカマツの松くい虫被害対策の薬剤注入作業が続けられている。松林一帯には皇太子ご夫妻の長女愛子さまのご誕生記念の森があるほか、オオタカが営巣し、近隣住民らの散策路としても知られる。

 松くい虫とは極小のマツノザイセンチュウのことで、自らは他のマツへ移動できない。媒介するマツノマダラカミキリによって運ばれ、マツ内部で活動を始めると水分不足が起き、マツは枯れてしまう。
 薬剤注入作業は、アカマツの根元にドリルで穴を開け、薬剤の入ったボトルを差し込む方法で、マツノザイセンチュウの動きを弱めるという。注入作業は1月末まで続く。6月からはマツノマダラカミキリに対する薬剤散布が行われる。
 作業を見守ったNPO法人「オオタカ保護基金」代表の遠藤孝一代表は「この林は上部で枝が広がった木があり、オオタカの営巣に適している。松枯れが進めば、営巣適地も少なくなっていく」と話した。
 松林を管理する塩那森林管理署によると、赤松林の面積は約79ヘクタールで、広葉樹も若干あるが、アカマツが主体。1983年には約2万本のアカマツがあったが、マツ枯れにより約8300本にまで激減した。対策としてアカマツへの薬剤注入や散布を行っているが、今でも年間200本から300本が枯れてしまうという。

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