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桜島大噴火に備え、4700人訓練 鹿児島・大正噴火から105年 /鹿児島県

 桜島の大噴火で58人の犠牲者が出た「大正噴火」からちょうど105年となる12日、鹿児島市は、桜島の大規模噴火を想定した防災訓練を実施した。桜島の住民や消防など計約4700人が参加。住民約140人はフェリーに乗り、鹿児島港へと向かった。訓練は49回目。

 訓練は、急激な地殻変動が起こり、島内を震源とする火山性地震が増加し、噴火警戒レベルが5(避難)に引き上げられたという想定で行われた。
 午前10時に桜島全島へ避難指示が発令され、島内には避難を呼びかける防災無線のアナウンスが響いた。
 桜島西部の住民は三つの避難港に集まった。このうち北西部の桜島藤野町の避難港にはヘルメットをかぶった住民が次々と訪れ、フェリーが着岸すると順番に乗り込んだ。
 一方で島東部の住民は桜島港にバスで向かい、バスごとフェリーに乗り込んだ。それぞれ鹿児島港に到着すると、近くの市立長田中学校の体育館に開設された避難所に避難した。
 避難所では「避難所運営訓練」を開催。住民が自分たちで食料などの物資を運び込み、市職員や消防団員らから災害用の簡易トイレや段ボールベッドの組み立て方を習った。校庭では同中の保護者がうどん約400食の炊き出しを行った。
 市危機管理課は、今回の訓練で見えた課題を踏まえて避難計画を見直し、来年度の地域防災計画に盛り込む予定という。訓練を終え、森博幸市長は「大正噴火級の爆発がまたいつ起こるかわからない。住民と関係機関と連携して避難計画をまとめ、防災対策をしっかり進めていきたい」と話した。

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