ニュースピックアップ
ニュースピックアップ

再生エネを遮断、出力抑制導入へ 東北電、20年度以降に /宮城県

 東北電力は7日、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの受け入れを一時的に遮断する「出力抑制」を導入すると発表した。2020年度以降に導入する見通しで、来年1月から対象の事業者に通知する。10キロワット未満の家庭用は当面、対象外とする。

 出力抑制は、電力の供給が需要を上回った場合の大停電を避けるために行われ、九州電力が10~11月、離島以外では国内で初めて実施した。
 東北電によると、管轄する東北6県と新潟県で、太陽光と風力の発電施設の設備量は10月末で562万キロワットに上り、増加傾向。年間の平均需要の5割以上を占め、火力発電所の出力を調整するなどして需給のバランスを維持してきた。
 今後も年に100万キロワットのペースで供給が増えると見込んでおり、将来的に需要を大きく上回る可能性が出てきたという。需給バランスが崩れれば、火力発電所などの発電機が停止し、大規模な停電を招く可能性があるとしている。
 出力抑制の対象となる発電所は管内に1万2600カ所あり、東北電が遠隔制御できる装置を接続するなどの準備を要請する。東北電送配電カンパニーの阿部公哉・電力システム部副部長は「電力の安定供給に万全を期しながら、再エネの最大限の活用に努めていく。事業者には協力をお願いしたい」と話した。
 東北電は女川原発(女川町、石巻市)2号機の再稼働の準備を進めている。出力抑制を求めながら再稼働する必要性について、広報担当者は「特定の電源に偏ることは安定供給に支障をきたす可能性がある。再生可能エネルギーの活用も進めるが、供給源を分散させるために原子力も必要だ」と話した。

PAGE TOP