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倒木多数、遭難続出 台風で荒れた関西の山々、迂回し迷う

 9月に西日本を縦断した台風21号の暴風で倒木が相次ぎ、関西の登山道が荒れている。倒木や崩れた土砂を避けて歩くうちに登山道から外れ、遭難するケースが後を絶たない。「登山は自粛して」と警察が呼びかける事態になっている。

 京都府警によると、9月4日に台風21号が通過した後、京都府内では高齢者を中心に男女14人が遭難した。うち7人(19~82歳)が倒木を避けるうちに道に迷うなどしていた。
 京都市右京区の愛宕山(標高924メートル)では10月5日、「道に迷った」と家族に連絡した後、行方不明になった兵庫県明石市の男性(87)が登山道の近くの谷で見つかり、死亡が確認された。男性は1人で登っていたという。右京署は台風の通過後、登り口に「倒木多数、通行注意」という注意文を掲げていた。
 日本のロッククライミング発祥の地とされる兵庫県芦屋市の芦屋ロックガーデンの近くでは、9月24日、小学生の息子2人を連れた女性(36)が道に迷い、消防のヘリがつり上げて救助した。土砂崩れでふさがれていた登山道を迂回(うかい)し、下山しようとして迷ったという。現場は登山道から約100メートルの山林で、市街地のすぐ近くだった。
 滋賀県の比良山系では9月に5人が遭難した。倒木を避けようとしたとみられる。9月15日には大津市の明王谷近くで、大阪府豊中市の66歳と63歳の夫妻が滑落死しているのが見つかった。
 京都府警機動警ら課の広報担当者は「登山はしばらく自粛してほしい。どうしても入る場合、倒木で道がふさがれていたら、回り道をせずに迷わず引き返してほしい」と呼びかける。

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