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伊方3号機を運転再開 高裁差し止め、取り消し 1年ぶり

 四国電力は27日未明、伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)の運転を約1年ぶりに再開した。昨年12月に広島高裁が運転差し止めの仮処分決定を出したが、今年9月の異議審で取り消され、四電が再開の準備を進めていた。
 四電によると、午前0時30分に3号機の原子炉を起動した。順調に進めば11月28日に営業運転に入る。これにより、2011年の原発事故後、運転差し止めの司法判断が出た原発(関西電力の大飯原発3、4号機、高浜原発3、4号機、伊方3号機)のすべてが再開したことになる。
 伊方原発は佐田岬半島の付け根部分にあり、原発事故を起こすような地震が起きて道路や港湾が崩れれば、原発西側の住民約5千人が孤立する恐れがある。この日は、運転に反対する人たち約100人が早朝から原発ゲート付近で抗議活動をした。
 3号機は東日本大震災後の新たな原発の規制基準のもとで16年8月に再稼働した。17年10月に定期検査で運転を停止し、今年1月に送電再開の予定だった。
 しかし、広島高裁が昨年12月、約130キロ離れた熊本県の阿蘇山が過去最大規模の噴火をした場合、火砕流の影響を受けないとはいえず、原発の立地は不適切と判断。今年9月末までの運転を差し止める仮処分決定を出した。広島高裁の別の裁判官3人が今年9月、「(破局的噴火を)想定しなくても安全性に欠けないとするのが社会通念」として決定を取り消した。

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