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(水辺を考える)「人と湖沼の共生、引き継ぐために」 つくばで世界会議開幕/茨城県

 多様な生態系と文化をはぐくむ湖や湿地の保全と再生を目指す第17回世界湖沼会議が15日、つくば市で開幕した。「人と湖沼の共生―持続可能な生態系サービスを目指して―」をテーマに約50の国・地域から約4千人が集い、研究発表や討議を繰り広げる。
 つくば国際会議場であった開会式には、秋篠宮ご夫妻をはじめ、研究者や企業、市民、行政の担当者ら約1千人が出席。主催者を代表して大井川和彦知事が「湖沼問題解決の新たな展開につながる会議となることを強く望む」と述べた。秋篠宮さまも「湖沼に関係する一人ひとりが積極的な関心を寄せ、行動に移していくことが大切」とあいさつした。
 午後は、三村信男・茨城大学長が基調講演。人と湖沼の共生を次世代に引き継ぐには、流域住民の湖沼への愛着を高める必要があるとした上で「人工知能(AI)やドローンなどの技術を利用することが新しい可能性を開く」と訴えた。このほか、海外の研究者の事例発表と討議が中心の「湖沼セッション」もあった。
 国際会議場の多目的ホールではこの日、企業や研究機関など42団体の先進的な取り組みや商品・サービスを発表する展示会もスタート。筑波大や茨城大、環境問題に取り組む小中学生を含む2グループも参加した。常磐大の学生と水戸市の中学生でつくるグループは、ビオトープづくりやホタルの生息域拡大を図る活動を紹介。同大4年の天海雅裕さん(21)は「水辺環境の再生に向け、目に見える成果が出た活動もある。多くの人に伝え、広げていきたい」と話した。
 世界湖沼会議は、琵琶湖の富栄養化に悩んでいた滋賀県の呼びかけで1984年に始まった。県内での開催は95年の第6回以来23年ぶり2回目。19日まで5日間の日程で行われる。
 

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