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平らな竹、世界に伸びる 新技術の家具、南港の見本市で注目 イタリアにも出展/大阪府

 平板にした竹で作った椅子やテーブルが10日、大阪・南港のATCホールで開幕した国際見本市「LIVING&DESIGN 2018」に出展され、注目を集めている。松江市の家具会社が、島根県と共同開発した技術で製品化に成功。表面に竹の皮を残した素材が温かな味わいを出している。

 2004年創業の家具メーカー「ウッドスタイル」(松江市)が7年前から、竹を平たくする技術開発に取り組んできた。放置されてはびこる竹林被害に悩んでいた島根県も、素材を有効活用できないかと共同で研究。湾曲した竹に熱を与えてプレスし、平板化する技術を編み出し、15年11月に「表皮付き竹材の製造方法」として特許を取得した。
 今回出展されたのは、長さ130センチの竹の板8枚を並べた高さ54センチのテーブルや、積み重ねて収納できるスタッキングチェアなど6点。ウッドスタイルの西村幸平社長(53)は「竹は切っても切ってもはえてくるエコな素材。平らにすることで付加価値をつければ地元で産業として成り立たせていける」と話す。ただ、製作にコストがかかって量産化しにくいという課題があるという。
 この技術に着目したのが、大阪・北浜とイタリア・ミラノを拠点に活動するプロダクトデザイナーの喜多俊之さん(75)。イタリアのデザイン界最高峰と言われる「黄金コンパス賞(国際功労賞)」を11年に日本人として初めて受賞し、その年からウッドスタイルの研究に注目してきた。
 喜多さんの尽力で昨年、ミラノで開かれた世界規模の国際見本市「ミラノサローネ」にウッドスタイルの製品を出展した。喜多さんは「日本で広く自生する竹を平たくすることで新しい資源ができた。そこに日本の技術を組み合わせれば世界に出て行ける」と期待する。
 ATCホールでの国際見本市は、喜多さんが総合プロデュースしており、12日まで。家具や住宅、インテリア関係の会社など約120社が出展している。

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