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漆の安定供給狙う 二戸市と4団体が協定 /岩手県

 二戸市特産の貴重な国産漆「浄法寺漆」の安定供給を目的に、市と需給に関わる4団体が4日、連携協定を結んだ。文化財保護などで需要が増す一方、供給が間に合わないこともある漆の確保を、需給双方で調整する協定は初めてという。
 協定を結んだのは市と、約30人の漆かき職人で構成する県浄法寺漆生産組合、栃木県日光市の国宝や重要文化財の建造物の保存修理に取り組む「日光社寺文化財保存会」、建造物装飾の全国18社が加盟する「社寺建造物美術保存技術協会」など。
 今後は市が「浄法寺漆振興会議」を年2回開催し、各団体が漆の生産状況や漆を使用する工事計画の情報を共有する。出荷調整を効率的に行うことが狙いだ。
 国産漆はこれまでは取引規模が小さく、需要と供給を調整する仕組みがなかった。しかし2015年、文化庁が国宝など文化財の修復に原則として国産漆を使うよう通知を出すと、年産約1・4トンの国産漆の7割以上を占める浄法寺漆への注文が全国から殺到、需要に供給が追いつかない状況になっていた。
 協定締結を受け、藤原淳市長は「日本の文化財を守っていくことと、浄法寺漆の生産振興の課題解決につながると確信している」と自信をみせた。

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