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地熱発電の噴気試験 湯沢・小安地域で出光興産など3社 /秋田県

 湯沢市小安地域で地熱発電開発に向けて共同調査中の出光興産など3社は2日、噴気試験を公開した。試験結果などを踏まえ、今年度中にも環境影響評価(環境アセスメント)の「環境配慮書」を国などに提出する。
 ほかの2社は、国際石油開発帝石と三井石油開発。
 噴気試験では、深さ約2千メートルまで掘削された井戸から口径220ミリの管を伝わってきた蒸気が熱水と分離されて空中に放出され、白煙を上げていた。時間当たり30トンの蒸気量で、この井戸だけで3千キロワットの発電能力があるという。2021年度まで試験を重ね、発電の規模や方法を決める。
 3社は11年に地熱資源の調査を始め、昨年度までに7本の井戸を掘削した。今年度から21年度までは精査段階として、噴気試験や長期の実証実験をする。また、環境アセスの手続きも終えたい考えだ。事業化が可能な場合、24年度の発電開始をめざす。
 出光興産地熱事業室の上滝尚史事業推進課長(62)は「事業化に向けて大きく前進した。(栗駒国定公園内の)温泉地でもあり、地元住民に受け入れられるように進めたい」と話した。
 東日本大震災以降、国立・国定公園内の地熱開発の規制緩和や固定価格買い取り制度の導入を受け、各地で調査や開発が進んでいる。湯沢市には既に上の岱地熱発電所があるほか、山葵(わさび)沢地熱発電所も来春に操業を予定している。東北自然エネルギーやオリックスも地熱発電に向けた調査を実施している。

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