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気温2度上昇で地球が「温室化」 上昇連鎖の恐れ 国際チーム予測

 地球温暖化により、世界の平均気温が産業革命前に比べて2度前後上昇すると、温暖化に歯止めがかからなくなり、上昇幅は4~5度に達する可能性があるとの予測を、ストックホルム大などの国際研究チームがまとめた。温室化した地球を意味する「ホットハウス・アース」に移行するという。米科学アカデミー紀要に論文を発表した。
 論文によると、海氷減少など自然界の現象が起こり始める気温上昇の「臨界点」があり、それを超えると様々な現象が連鎖し気温上昇が続くと考えられる。
 2度前後の上昇でグリーンランドなどの氷床が解けたり北極海の海氷が減少したりすることで、気温上昇が進む。上昇幅が4度前後になると南米アマゾンの熱帯雨林が枯死し、含まれていた二酸化炭素が大量に放出される。温暖化は加速し気温上昇が5度以上になると、東南極の氷床が解け、海水面の上昇は最大60メートルになる可能性があるという。
 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」は、気温上昇を「2度未満」にするとの目標を掲げる。だが、論文は、パリ協定の目標を達成しても後戻りできない大きな影響が出る可能性があると指摘している。
 国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多・副センター長は「現状の温室効果ガス排出は2度を超えるペースで進んでおり、脱炭素社会への転換を真剣に考える必要がある」と話している。
 

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