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気温上昇1.5度に抑えても豪雨頻発 IPCC報告書、最終草案

 産業革命以降の気温上昇を1.5度に抑えても世界中で極端な高温が増え、多くの地域で豪雨が頻発する――。こんな予測を、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた。10月に公表する特別報告書の最終草案に盛り込んだ。現状のままでは2040年ごろに1.5度を超えると指摘し、地球温暖化対策の一層の推進を求めた。
 最終草案によると、世界の平均気温は昨年時点で産業革命前より1度上昇した。
 1.5度上昇した場合、すべての陸地で極端な高温が増え、大部分の地域で豪雨の頻度が高まり、極度の干ばつに見舞われる地域もあると予測。中緯度地域では極端に暑い日の気温が現在より最大で3度上がり、熱帯地域では異常に暑い日が増える。海ではサンゴの大部分が消失するという。さらに、2度上昇した場合は、1.5度と比較して、異常気象や海水面の上昇による被害が悪化すると指摘する。
 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」は、気温上昇を2度未満、できれば1.5度までに抑えることを目標にし、それに基づき、各国は温室効果ガスの削減目標を掲げる。
 だが、国連環境計画の報告書によると、各国の削減目標を積み上げても、30年時点の温室効果ガス排出量は、1.5度未満に抑えられるレベルよりも160億~190億トン超過する。最終草案は、1.5度に抑えるには50年ごろの二酸化炭素(CO2)排出を「実質ゼロ」に減らす必要があるとする。

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