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燃料電池で走る列車、出発進行 ドイツで営業開始、満タンで1千キロ

 鉄道が電化されていない区間の多いドイツで17日、燃料電池を使った列車の営業運転が始まった。車両を製造したフランスのアルストム社によると世界初の取り組みという。走行時に二酸化炭素を出さず、環境にやさしい次世代の列車として世界的に注目されている。
 北部ニーダーザクセン州の約124キロの区間(ブクステフーデ駅―クックスハーフェン駅)を走る14編成のうち2編成で導入された。1編成で最大300人を乗せることができ、運行する州の交通公社は2021年までに全てを燃料電池列車に置き換える予定だ。
 車両の屋根にあるタンク内の水素と空気中の酸素を化合して発電。架線からは電気を受けずに、モーターを回して走る。床下にはリチウム電池が設置され、走行中にも自動で蓄電する。最高速度は時速140キロで、水素タンクを満タンにすれば1千キロまで走行できる。将来は風力発電による電気で水を分解して得た水素を使う方針という。
 ドイツの鉄道は現在も電化されていない区間が約半分を占め、ディーゼル車が走る。電化には巨額の投資と時間がかかるため、二酸化炭素削減に取り組む中で、燃料電池列車が急速に普及する可能性がある。(ドイツ北部ブレーマーフェルデ)

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