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1世紀前、野鳥に迫った 下村兼史写真展

 野鳥撮影の先駆者下村兼史(けんじ)(1903~67)の写真展が21日から、東京・有楽町マリオン11階の有楽町朝日ギャラリーで開かれる。撮影機材が充実していなかった100年前、希少な野鳥に間近に迫り、カメラに収めた約50点が紹介される。
 下村は佐賀県出身。野生の生物を写真で記録することが少なかった1920年代ごろから、奄美大島や小笠原諸島など全国各地を訪ねて野鳥を撮影。39年からは映画の世界に入り、自然を記録した映画「或日(あるひ)の干潟」などを制作した。
 本展では、実家で望遠レンズを使わずに撮影したカワセミの写真などのほか、下村が使用したものと同型のグラフレックス社のカメラも展示。持ち運びが重労働だったカメラの大きさや、1日十数枚ほどしか撮れなかったガラス乾板を使う苦労が感じ取れる。
 実行委員会の塚本洋三事務局長は「下村は科学的な目線や美的センスで野鳥をとらえた。ぬくもりや安らぎを覚える作品を味わって欲しい」と話す。
 ▽26日まで。無休。

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