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明治座で岐阜の明治座PR 同名の縁、伝統伝える /東京都

 明治座つながりで交流を――。岐阜県東部の中津川市の山あいに立つ芝居小屋「かしも明治座」が、東京・日本橋浜町の明治座屋内に場所を借り、地歌舞伎や地元産品を紹介している。山村に残る伝統文化を伝えようと、同名の縁で働きかけ、実現した。
 9月初め、梅沢富美男さんらの公演を見に来た客でにぎわう明治座の2階に、「もう一つの明治座展」と題したブースが設けられた。かしも明治座の回り舞台を再現した模型が飾られ、芝居小屋の歴史や魅力を伝えるパネルが展示されている。栗菓子や東濃ヒノキの木工品などの地元産品も販売された。
 「かしも明治座」は中津川市の加子母(かしも)地区にあり、県重要有形民俗文化財にも指定されている芝居小屋。山村で大衆芸能を楽しもうと1894年に村の有志によって建てられた。毎年9月には、地元住人らが自ら演じて「地歌舞伎」を上演する。
 かしも明治座を運営するNPO法人「かしもむら」の中島紀于(のりお)理事長(73)は「地歌舞伎は、小さな子どもから学校の先生や駐在さんまでが集まって稽古して、みんなで作り上げる芝居。村に残る宝なんです」と語る。
 3年前には屋根を創建当時の姿に復元した。「農村に残る芝居小屋をもっと知ってもらいたい」。浮かんだ妙案は名前が同じ東京の明治座でPRすること。話を持ちかけると「まずは交流から」と話がまとまった。明治座宣伝課の担当者は「多様な芝居、歌舞伎の形を客に知ってもらう機会になる」と話す。展示は24日まで。

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