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運動不足の成人、世界に14億人 健康リスク増、日本は35.5% WHO推計

 生活習慣病などの健康リスクを高める運動不足の成人は、世界に14億人以上――。こんな推計値が5日、英医学誌「ランセット・グローバル・ヘルス」に掲載された。WHO(世界保健機関)などの研究班が約190万人のデータを元に算出した。運動の機会を増やし、体を動かすことを促す政策が必要だとしている。
 調査は、168カ国の358集団の18歳以上を対象にした。WHOが勧める、1週間で2時間半以上のややきついと感じる程度の運動か、75分以上の激しい運動をしていない人を「運動不足」と見なした。国や所得による違いも分析した。
 その結果、2016年時点で、運動不足の人の割合は、世界で27・5%(男性23・4%、女性31・7%)だった。収入が高いと運動不足になる傾向があり、低所得の国では16・2%だったのに対し、高所得だと36・8%だった。運動不足の割合は、01年から16年まで改善しなかった。
 運動不足の人の割合が最も低いのはアフリカのウガンダ(5・5%)。一方、最も割合が高いのはクウェート(67・0%)で、米領サモア、サウジアラビア、イラクの3カ国は成人の半数以上が運動不足だった。日本は35・5%で、3人に1人以上が運動不足とされた。
 研究班は、低所得の国では、現在も肉体労働や徒歩による移動などで一定の運動ができている一方、所得が高い国ではデスクワークや車の利用などが増えていると推測。その上で「運動不足は、心筋梗塞(こうそく)や糖尿病、認知症、一部のがんなどのリスクを高めている」と警告している。

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