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シーアスパラガス、実った研究 福井シードと若狭湾エネ研が共同開発 /福井県

 イタリア料理などに高級食材として使われる野菜のシーアスパラガスを通年栽培できるシステムを、野菜の品種改良などを手がける種苗会社「福井シード」(福井市)と若狭湾エネルギー研究センター(敦賀市)が共同開発した。7月に東京の展示会に出展し、来場者の関心を集めた。

 シーアスパラガスはヨーロッパやアジアの海岸に自生し、海水で育つアカザ科の植物で和名は厚岸草(アッケシソウ)。アスパラガスに形が似ていることから、この名がついた。葉と茎が食用になり、ミネラルやビタミン、植物繊維が豊富。しゃきしゃきした塩味が特徴でサラダなどの食材に使われている。
 日本では北海道や岡山県で自生しているが、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)に指定されているため収穫はできず、高価な輸入品が流通している。
 国内の気候では栽培が難しく、通年での収穫ができなかった。福井シードの笠原康一さんは水耕栽培のノウハウを研究。LED照明の照射方法を調整することで開花を抑制し、人工海水の最適な塩分濃度もつきとめた。
 7月中旬に東京ビッグサイトで開かれた施設園芸・植物工場展2018に「シーアスパラガスの通年型水耕栽培システム」として出展した。
 笠原さんは「植物工場で安定的に高付加価値の作物ができるようになった。プラントごとノウハウを提供できる。福井の新たな特産品になれば」と期待する。
 

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