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環境危機時計、14分進む 過去最悪9時47分 温室効果ガス削減の動き鈍く

 地球環境の悪化による人類存続への危機感を時計の針で示す「環境危機時計」の2018年の時刻は、「9時47分」だった。0時から12時で表し、12時に近づくほど危機感が高まっていることを示す。昨年より14分進んで、過去最悪となった。旭硝子財団(東京都)が7日、発表した。
 調査は同財団が1992年から実施している。世界各国の大学や研究機関、NGOなどで環境問題にかかわる有識者を対象に、環境への危機感を時刻で答えるアンケートを実施。今年は139カ国の1866人から回答を得た。
 時刻を答える際に重視した項目を尋ねたところ、最も多かったのは「気候変動」で全体の28%を占めた。「生物多様性」(12%)、「水資源」(11%)が続いた。気候変動については、昨年にトランプ米大統領がパリ協定からの離脱を表明したことや、各国の温室効果ガス削減の動きが鈍いことを懸念する意見も寄せられた。
 年代別では、20~30代の平均が「10時」で、ほかの年代よりも針が進んでいた。同財団は「若い世代で危機意識が高まっていることが、全体の時計の針を大幅に進めた」とみている。

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