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再生可能、水素エネルギー宅配 環境省委託事業、富谷で社会実験 /宮城県

 太陽光発電で作った「水素エネルギー」を、一般家庭などに宅配する本格的な社会実験が富谷市で始まった。気象条件で発電量が変わる「再生可能エネルギー」を、効率良く蓄えられる水素に変え、特殊な合金に吸収させて運ぶ実験だ。環境省によると「東北では初の取り組み」になる。
 今回の実験は、環境省が委託する「地域連携・低炭素水素技術実証事業」の一環。水素製造を日立製作所(東京)が、再エネ事業を丸紅(同)が担当し、宅配ネットワークを持つみやぎ生協、低炭素の街づくりを目指す富谷市の4者が共同で進めていく。
 みやぎ生協の物流センターにある太陽光発電施設を使い、水を電気分解して作った水素を特別な合金カセットに閉じ込める。生協の宅配ルートに乗せて一般家庭3軒と生協の店舗、小学校の児童クラブの計5カ所に配送する。配送先では、設置された燃料電池に宅配された水素を供給して発電などを行う。
 既存の配達網を使うため、コストも抑えられる。地産地消のエネルギーでもあり、全国での展開も可能だという。
 まずは電気量やコストなどのデータを収集し、9月中旬から配送をスタートさせる予定。富谷市の若生裕俊市長は「太陽光発電で出来たエネルギーを水素に換えて貯蔵できれば、災害時などいつでも活用できる。富谷を水素エネルギーの先進地にしたい」と語った。

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