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減るハンター、若手育成へ 県、高校で講習会 10代の免許受験料免除 /群馬県

 県内で狩猟者登録をする人の数が減り、ハンターの高齢化が進んでいる。野生鳥獣による農林業被害額は減少傾向にあるが、このうちシカやイノシシによる被害は増えており、県は捕獲数の増加を目指して、わな猟などの若手ハンター育成に乗り出している。

 県によると、鳥獣に農作物を食べられたり、樹皮をはがされたりする被害は、昨年度は5億6522万円。前年度に比べ4470万円減り、過去10年で最も少なかった。農地への侵入防止柵の設置が進んだことや、食料となる木の実などの実りが良く、農地への動物の出没が少なかったことなどが理由という。
 ただ、シカやイノシシによる被害は増えており、昨年度の被害額はシカによるものが1億9390万円、イノシシが7537万円だった。前年度に比べて、それぞれ16・3%、3・2%増えている。
 県は対策として野生鳥獣の捕獲強化を進めており、昨年度はイノシシ、シカ、カモシカ、サル、クマの5種で計1万6294頭を捕獲した。これは2008年の約2・4倍にのぼる。
 一方で、狩猟者登録数は1970年度の1万8947人をピークに減り続け、2016年度は3452人に。散弾銃など猟銃を使う登録者が大幅に減っていることが主な理由で、高齢化も進んでいるという。
 若手ハンター育成のため、県は農林大学校や高校でわな猟の講習会を開催。今年度からは、18、19歳のわな猟免許の受験料を免除した。今月1日に県庁であった狩猟免許試験では、3人が初めてこの制度を利用して免許を取得した。
 その一人、藤岡工業高校3年の小暮啓介さん(18)は、祖父母の畑がイノシシやシカの食害に遭っているという。「家の畑や山にわなを仕掛け、少しでも被害を抑えたい」と話した。

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