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SDGs、ビジネス視点 札幌でフォーラム /北海道

 国連の持続可能な開発目標(SDGs〈エスディージーズ〉)をビジネスの面から考えるフォーラムが18日、札幌市北区であった。道内外でSDGsに関わる事業を展開している企業や行政の担当者が、現状と課題を話し合った。

 ■廃食用油でバイオ燃料/銀行など推進ファンド
 「びっくりドンキー」を全国展開するアレフ(札幌市)常務の庄司開作さんは、店舗の生ゴミを処理して堆肥(たいひ)の原料にする、廃食用油をバイオディーゼル燃料に再利用する、といった取り組みを紹介。「環境に関心を寄せる人を増やしたい」として、同社が運営する恵庭市の「えこりん村」に、小学生が環境教育のプログラムを受ける「えこりん村学校」を開設していることも取り上げた。
 北洋銀行などは6月、「北洋SDGs推進ファンド」を設立。同行地域産業支援部担当部長の宮内博さんは、針を刺さずに脂質測定できる機器開発にあたる「メディカルフォトニクス」(札幌市)と、超高精度分光器による農地の土壌分析などに取り組む「ポーラスター・スペース」(同)の2社を第1号として出資し、さらに10社への出資を検討していることを明らかにした。
 飲食店の予約を通じて途上国の子どもの給食費を支援できるアプリ「テーブルクロス」運営会社(東京都新宿区)社長の城宝薫さんは25歳。高校生だった2009年に米国に行き、利益を出しながら障害者支援に取り組む活動を知った。「社会問題は寄付やボランティアで解決するものと思っていたので、圧倒的な衝撃を受けた」と体験を披露した。
 札幌市は3月に更新した環境基本計画にSDGsの考え方を取り入れた。市環境計画課の佐竹輝洋さんは「従来の計画は環境を守るために何をするかが中心だったが、新たな計画は環境問題を解決することで社会や経済への波及効果を目指している」と説明した。
 ただ、今年1~2月、SDGsの認知度を市民約1300人を対象に調べた結果、「全く知らない」が47%と半数弱に上ったことに触れ、まず知ってもらうことが必要だと指摘した。
 フォーラムでは、国際NGO「プラン・インターナショナル・ジャパン」理事長の池上清子さんが基調講演。「SDGsは、身の回りで起きたことについて、変えていけるのか、問題ではないか、などを考える座標軸になるのでは」と問題提起した。参加者は約130人で、想定の百人を大幅に上回り、関心の高さをうかがわせた。

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