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ドローン配送、月内にも解禁 島・山間部に限定 目視規制緩和

 小型無人機ドローンによる遠方への荷物の配送が、早ければ今月中にも、人が少ない離島や山間部に限って解禁される。目視できる範囲でしか飛ばせないという規制を、国土交通省が一定の条件のもとで緩和することを決めた。過疎地の買い物弱者にとって便利になるほか、西日本豪雨のような災害時の物資輸送への応用も期待される。

 国交省によると、ドローンの飛行は現状、航空法に基づく規定により、操縦者か補助者が常に目視で機体を確認できる場所に限られている。それを今回、高度150メートル未満の「山や川、海などの人が立ち入る可能性が低い場所」に限り、目が届かない場所でも飛行できるよう改める。
 安全を確保するため、飛行に異常が出た場合、近くの安全な場所に着陸できる機体の性能を要件とする。また、急な天候の変化を察知して緊急着陸できるよう、気象センサーやカメラを機体や飛行経路上に設けることも求める。
 さらに、離着陸の場所に人が近づかないようにすることも要件となる。このため、実際に荷物を運ぶ場合は柵などで囲まれた発着基地「ドローンポート」を設け、利用者はそこまで荷物を取りに行くことになる。
 ドローン配送は、過疎地などで暮らす人にとって買い物などが便利になるほか、事業者にとってコスト削減も期待される。すでに複数の企業が参入を模索。NTTドコモが福岡市の離島・能古島(のこのしま)で、楽天が静岡県藤枝市や愛知県豊田市の中山間地でそれぞれ実証実験をしたほか、日本郵便も長野県伊那市で国交省などが実施した実験に参加している。今回の規制緩和で、実用化が進むとみられる。
 また、配送のノウハウが確立して各地にドローンポートが普及すれば、台風や豪雨などの災害時に、孤立した山あいの集落などへ物資を届けることも可能になると期待されている。
 さらなる利便性向上のため、国交省は人が多い都市部でのドローン配送も模索しているが、現状の技術レベルでは十分な安全対策を講じることが難しいという。

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