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温暖化対策、長期戦略策定へ 政府有識者懇、きょうから議論

 地球温暖化対策の長期戦略の策定に向け、政府の有識者懇談会の議論が3日、始まる。政府は2050年までに温室効果ガスの排出を80%削減する目標を閣議決定したが、実現に向けた具体的な道筋は示していない。懇談会の提言を受け戦略をまとめるが、現状の対策の延長では目標の達成は難しい。技術革新や環境と経済の両立などレベルの高い具体策が求められる。
 15年に採択された温暖化対策の国際ルール「パリ協定」で、各国は20年までに長期戦略を国連に提出することになっている。
 懇談会は国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長やトヨタ自動車の内山田竹志会長、経団連の中西宏明会長、研究者ら10人で構成される。座長には北岡氏が就任する。3日の懇談会には安倍晋三首相も出席する。
 だが、日本の動きは先進国の中では遅い。16年に三重県で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、「20年より十分に先立って提出する」と合意。16年に米、独、カナダ、仏の4カ国が、今年4月に英国が国連に提出。長期戦略を策定していないのはG7では日本とイタリアだけだ。
 政府は提言を受けて長期戦略をまとめ、来年6月に大阪市で開く主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で脱炭素化に向けた取り組みをアピールしたい考えだ。
 だが、すでに長期戦略を提出した5カ国の数値目標は日本と同等かそれ以上。具体策でも高い目標を掲げている。これから策定する日本が世界をリードするには、大胆な脱炭素化のビジョンに基づいた戦略が必要だ。

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