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薬用植物、栽培法確立めざせ 千葉大と富士通が実証研究 /千葉県

 漢方薬や健康食品の原料となる薬用植物について、国内での栽培技術の確立を目指そうと、千葉大学と富士通が4月から、国内各地の生産者の協力を得て実証研究を進めている。同大柏の葉キャンパス(柏市)に種苗の栽培拠点をつくり、富士通の情報通信技術を活用しながら、効率的で安定供給が可能な栽培法を探るという。

 千葉大などによると、薬用植物は、古くから漢方薬や民間療法で親しまれてきたが、国内の漢方薬や健康食品の原料は、多くを中国などからの輸入に頼ってきた。輸入品高騰の懸念から、ここ数年は国内各地で産地化を目指す動きが広がるなか、栽培技術の確立が課題となっている。
 今回の実証研究は、そうした課題の解決を目指すもので、期間は来年3月までの1年間。千葉大は、優良な種苗の開発と育苗の効率化を研究。富士通は、柏の葉キャンパスの薬草園や奈良県、大分県など国内各地の生産者の協力を得て、農地の温度や気象データに加えて、植物の生育状況を生産者がスマートフォンで音声入力した観察結果を、同社が構築した栽培データ記録システムに蓄積する。集まったデータを千葉大が分析し、生産者に助言するという。
 研究代表を務める環境健康フィールド科学センター(柏の葉キャンパス)の渡辺均・准教授(園芸学)は「研究成果を出し、患者さんと各地の生産者に貢献ができれば」と話す。
 柏の葉キャンパスでは28日、東洋医学健康セミナーがあり、身近な薬用植物の効能や栽培法、おきゅうによるセルフケアについて約80人が聴き入った。
 講師を務めた渡辺准教授は、薬用植物104品目の効能などを紹介、利尿や便秘に効くとされるドクダミ、整腸によいとされるゲンノショウコなど身近な植物の栽培法を説明。入浴剤向けにはヨモギやユズのほか、大根の葉やオタネニンジンも効能があるとして、「興味があれば家庭で楽しんでほしい」と語った。

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